健診の「要精密検査」を放置していませんか?
- 2026年5月28日
- 消化器の病気
はじめに
こんにちは。南條内科おなかクリニックの院長です。
爽やかな新緑の季節を迎え、過ごしやすい日々が続いていますね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
この5月から6月にかけては、春に職場や自治体で受けた健康診断(健診)や人間ドックの結果が手元に届く時期です。お手元の結果通知書をご覧になって、「あぁ、今年も健康だった」と安心された方もいれば、「要精密検査」「要精査」「再検査」という文字を目にして、少し憂鬱な気持ちになっている方もいらっしゃるかもしれません。
健診結果で「異常あり」と書かれていると、誰しも不安になるものです。「何か大きな病気だったらどうしよう」と怖くなったり、逆に「特に症状もないし、忙しいから後回しでいいや」と引き出しの奥にしまい込んでしまったりしていませんか?
しかし、おなか(消化器)の病気において、健診の「要精密検査」を放置することは非常にリスクが高い行為です。今回は、特に多くの方が指摘されやすい「胃バリウム検査」と「便潜血検査」の異常に焦点を当て、なぜ精密検査が必要なのか、どのような検査を行うのかを詳しく解説します。
1. なぜ症状がないのに「要精密検査」になるのか?
多くの方が「痛みのない胃の異常」や「血便を自覚していない便潜血」に対して、「大したことはないだろう」と考えてしまいます。ここに大きな落とし穴があります。
がんや潰瘍は「無症状」で進行する
胃がんや大腸がんは、初期段階ではほぼ100%自覚症状がありません。
「お腹が痛い」「食欲がない」「便が細くなった」「体重が減った」といった症状が出る頃には、病気がかなり進行してしまっているケースがほとんどです。
健診の目的は、まさにこの「症状が出る前の段階」で病気の芽を見つけることにあります。つまり、「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がない今だからこそ、完全に治せるチャンスがある」と捉えていただく必要があるのです。
2. 胃バリウム検査で「異常」を指摘された方へ
胃のレントゲン検査(バリウム検査)で「要精査」となる理由はさまざまです。結果用紙には以下のような言葉が並んでいませんか?
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慢性胃炎(萎縮性胃炎)
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胃潰瘍・十二指腸潰瘍の疑い(または瘢痕)
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胃ポリープ
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隆起、陥凹(かんおう)、粘膜集中、変形
バリウム検査で見えているもの
バリウム検査は、白い造影剤(バリウム)を飲み、胃の壁に付着させてその「影」をレントゲンで撮影する検査です。胃の形や全体的な凹凸をみるのには適していますが、その凹凸が「良性のポリープ」なのか「早期の胃がん」なのか、あるいは「ただの炎症」なのかを影だけで100%確定診断することはできません。
そのため、少しでも怪しい影や凹凸が写った場合は、「実際に目で見て確認してください」という意味で「要精密検査」となるのです。
精密検査は何を行う?
胃バリウム検査の精密検査は、「上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)」を行います。
胃カメラでは、細いカメラを口または鼻から挿入し、胃の粘膜を直接ハイビジョン画質で観察します。バリウムの影だけでは分からなかった、わずかな色の変化や微細な血管の構造まで確認できるため、早期胃がんの発見には不可欠な検査です。もし怪しい部分があれば、その場で組織を少し採取して(生検)、顕微鏡でがん細胞がないかを調べることも可能です。
3. 便潜血検査で「陽性」が出た方へ
大腸がん検診として広く行われている「便潜血検査(2日法)」は、便の表面に目に見えないほどの微量な血液が混じっていないかを調べる検査です。2回のうち1回でも「陽性(異常あり)」となった場合、必ず精密検査が必要です。
よく患者様からいただく言い訳(誤解)に、以下のようなものがあります。
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「2回のうち1回しか陽性にならなかったから大丈夫でしょ?」
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「きっと痔の血だと思うから、検査は要らないよね?」
これらはすべて間違った認識です。
「1回だけ陽性」でも危険な理由
大腸がんやポリープは、常に毎日出血しているわけではありません。硬い便が通りかかったときに擦れて、たまたま出血することがあります。そのため、「2回のうち1回しか出なかった」というのは、「たまたまその日はがんやポリープから出血していなかっただけ」という可能性があるのです。1回でも陽性が出たということは、大腸のどこかで出血が起きている動かぬ証拠です。
「痔のせい」と決めつけるリスク
確かに、便潜血陽性の原因で最も多いのは「痔(内痔核など)」です。しかし、「痔があるから陽性になったんだ」と自己判断して放置した方の中に、痔と大腸がんが同時に存在していたというケースが少なからずあります。「痔の影に隠れた大腸がん」を見逃さないためには、大腸全体を調べるしかありません。
精密検査は何を行う?
便潜血陽性の精密検査は、「下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)」を行います。 肛門からカメラを挿入し、盲腸(大腸の最奥)まで観察します。大腸カメラの最大のメリットは、「がん化する手前のポリープ(腺腫)」を発見し、その場で切除(日帰りポリープ切除術)できることです。これにより、将来の大腸がんを未然に予防することができます。
なお、便潜血陽性に対して「もう一度、便潜血検査を受ける」というのは精密検査になりません。再度受けて「陰性」だったとしても、前述の通り「その日は出血していなかっただけ」の可能性があるため、リスクを消し去ることはできないからです。
4. 当院の「苦しくない・痛みに配慮した」内視鏡検査
「精密検査が必要なのは分かったけれど、胃カメラも大腸カメラも辛そうで怖い……」
そう思って受診を躊躇してしまうお気持ちは、痛いほどよく分かります。
南條内科おなかクリニックでは、皆さまのそうした不安や恐怖心をできる限り取り除き、楽に検査を受けていただけるよう、以下のような体制を整えています。
① 鎮静剤を使用した「眠っているような検査」
ご希望に応じて、少量の鎮静剤(お薬)を使用して検査を行います。うとうとと眠っているような、あるいはリラックスした状態のまま検査が終わりますので、「気づいたら終わっていた」とおっしゃる患者様がほとんどです。初めての方や、過去に辛い経験をされた方もご安心ください。
② 鼻から通す優しい胃カメラ(経鼻内視鏡)
胃カメラの際、オエッとなる嘔吐反射が強い方には、鼻から挿入する細い内視鏡(経鼻内視鏡)をご提案しています。舌の根元にカメラが触れないため、吐き気がほとんどなく、検査中も医師と会話をすることが可能です。
③ 炭酸ガス(CO2)の利用で検査後のお腹の張りを軽減
大腸カメラの際、腸を膨らませて観察するためにガスを注入します。当院では、空気よりも約200倍吸収が早い「炭酸ガス」を使用しているため、検査後の「お腹が張って苦しい」という不快感が大幅に軽減されます。
④ 経験豊富な内視鏡専門医による丁寧な検査
院長は、数多くの内視鏡検査・治療を行ってきた専門医です。高度な技術と最新の医療機器を駆使し、見落としのない正確な診断と、身体に負担の少ないスムーズな操作を徹底しています。
5. ご受診までの流れ
健診結果を持って当院を受診される際の流れは非常にシンプルです。
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ご予約:
まずは当院の外来(一般診察)をご予約ください。Webまたはお電話から簡単に予約が可能です。「健診で要精査になった」とお伝えいただくとスムーズです。
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初診・事前診察:
健診の結果用紙を必ずお持ちください。現在の体調やお薬の内服状況をお伺いし、内視鏡検査の日程を決定します。検査に関する丁寧な説明(前日の食事や、大腸カメラの場合は下剤の飲み方など)を行います。
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検査当日:
リラックスしてご来院ください。安全を第一に検査を行います。
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結果説明:
検査後、画像をご覧いただきながら医師が分かりやすく結果をご説明します。組織を採取した場合は、後日病理結果をお伝えします。
結びに:6月は精密検査に最適なタイミングです
春の健診結果が出てすぐのこの6月は、実は精密検査を受けるのに最も適した時期です。
夏になると夏バテや熱中症のリスクが高まり、秋以降は年末に向けて仕事やイベントが忙しくなり、受診のタイミングを逃しがちになります。「まだ大丈夫」と思っているうちに数ヶ月、1年と経ってしまうと、せっかく健診で見つかった「早期発見のチャンス」を無駄にしてしまいかねません。
健康診断は、受けること自体がゴールではありません。「要精密検査」という結果を受けて、実際に精密検査を行い、異常がないことを確認する(あるいは早期に治療する)ことこそが本当のゴールです。
結果用紙をみて不安な日々を過ごすよりも、一度検査を受けて「何もなかった」と安心を手に入れませんか?
当院は、おなか(消化器)のかかりつけ医として、皆さまの健康を全力でサポートいたします。どんな小さな不安でも構いません。まずは結果用紙をお手元にご用意のうえ、お気軽にご相談ください。皆さまのご来院を心よりお待ちしております。
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お問い合わせ電話番号:076-464-6213
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