
食道カンジダ症
食道カンジダ症
「最近、胸のあたりがムカムカする」「物が飲み込みにくい、詰まる感じがする」…その症状、もしかして「食道カンジダ症」かもしれません。
食道カンジダ症は、見過ごされがちですが、嚥下(えんげ)時の痛みや不快感、食欲不振など、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。この記事では、当院で診療を行っている食道カンジダ症について、その特徴や当院の診療方針をご説明します。
食道カンジダ症は、カビの一種であるカンジダ菌が食道内で異常増殖し、炎症を引き起こす病気です。カンジダ菌は、もともと口腔内や消化管に常在している菌ですが、通常は免疫力によってその増殖が抑えられています。しかし、以下のような原因で免疫力が低下すると、菌が急激に増殖し、食道に付着して白い苔のようなものができたり、粘膜がただれたりします。
糖尿病、がん、エイズなどの病気、または抗がん剤治療、ステロイドの長期服用など
腸内細菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が増殖しやすくなります。
加齢に伴い、免疫力が低下しやすくなります。
栄養失調、過度のストレス、不規則な生活習慣なども免疫力低下の原因となります。
食道カンジダ症の主な症状は、以下の通りです。これらの症状が続く場合は、早めの受診をお勧めします。
食べ物や飲み物を飲み込む時に、喉や胸のあたりに違和感や「しみるような痛み」を感じる。
食べ物がスムーズに飲み込めず、食道に詰まる感じがする。
逆流性食道炎と似たような症状が現れることがあります。
食道カンジダ症を患っている方の多くは、舌や頬の内側にも白い苔(口腔カンジダ症)を併発していることがあります。
当院では、食道カンジダ症の診断に胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を行います。
胃カメラを使用し、食道内部を直接観察します。カンジダ菌が付着した白い苔(プラーク)や、ただれた粘膜を確認することで、病気の有無や重症度を正確に診断します。当院では、患者様の負担を軽減するため、経鼻内視鏡や鎮静剤の使用も行っておりますので、内視鏡検査が苦手な方も安心してご相談ください。
食道カンジダ症と診断された場合、抗真菌薬の内服薬による治療を行います。通常は1週間で症状の改善が期待できます。再発を防ぐためにも、医師の指示に従い、最後まで服薬を続けることが重要です。
食道カンジダ症は、免疫力の低下が最大の原因です。治療と並行して、免疫力を高めるための対策も重要になります。
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
カンジダ菌は口腔内に多く存在するため、毎日の丁寧な歯磨きやうがいで口内を清潔に保ちましょう。
糖尿病などの基礎疾患がある方は、主治医と連携し、日頃から血糖値などを適切に管理することが大切です。
「もしかして」という症状がある方は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。当院では、患者様一人ひとりに合わせた丁寧な診療を心がけております。嚥下時の違和感や胸の不快感が続く方は、お気軽にご相談ください。