ピロリ菌に感染しているかどうかを知るには、いくつかの方法がありますが、日本の公的保険診療には明確なルールが存在します。
保険適用の条件は「胃カメラ」が必須
ピロリ菌の検査・除菌を保険(3割負担など)で行うためには、「内視鏡(胃カメラ)検査を受けて、胃炎や潰瘍の所見があること」が絶対条件です。
「なぜ胃カメラを強制されるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、これには非常に重要な理由があります。それは、「除菌をする前に、すでに胃がんができていないかを確認するため」です。もし胃がんがあるのに気づかず、除菌だけして「これで安心」と思い込んでしまうと、がんの発見が遅れ、手遅れになるリスクがあります。
主な検査方法の比較
現在、以下の7種類の検査方法が一般的です。
便中抗原検査
便を採取して菌の破片を調べます。非常に精度が高く、胃酸分泌抑制薬の影響を受けにくいのが特徴です。除菌判定にも使用されます。
尿素呼気試験
検査用の薬を飲み、吐き出した息(呼気)を調べます。精度が高く、除菌後の判定にも使用されます。
血液・尿抗体検査
採血などで「菌に対する免疫(抗体)」を調べます。健康診断の「ABC検診」などでよく使われます。現在の感染と過去の感染を区別することはできません。
核酸増幅検査
胃カメラの際に胃液を採取して、ピロリ菌の核酸(DNA)を調べます。同時に、クラリスロマイシン耐性についても分かるため、除菌治療の成功率が向上します。
迅速ウレアーゼ試験
胃カメラの際に粘膜の一部を採取して、ピロリ菌のウレアーゼ活性を調べます。感染診断に使用されます。
鏡検法
胃カメラの際に粘膜の一部を採取して、ピロリ菌がいるか顕微鏡で調べます。感染診断に使用されます。
培養法
胃カメラの際に粘膜の一部を採取して、培地でピロリ菌を増やします。感染診断に使用されます。
当院の最新機器
ヘリコバクター・ピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori G」(核酸増幅検査)
当院では2026年7月より、最新のPCR/遺伝子解析機器「スマートジーン H.pylori G」を導入いたしました。
富山県内のクリニックでの導入は当院が初めてとなります(病院を含めても県内数か所のみ)。
従来の検査法と一線を画す大きなメリットは以下の通りです。
1. 胃粘膜の「生検(組織採取)」を行わない
胃カメラ時に採取する「胃液」を利用して検査を行います。粘膜をかじり取る組織生検を行わないため、生検に伴う出血のリスクが一切ありません。
血をサラサラにするお薬を服用中の方でも安心して受けられます。
2. 費用の負担を軽減
組織採取に伴う手技料や病理診断料が発生しないため、従来の生検を伴う検査に比べて患者様の費用負担を抑えられます。
3. 約50分のスピーディーな院内検査
検体を外部に提出せず院内で解析するため、約50分で高精度な結果が判明します。
4. クラリスロマイシン耐性の有無まで事前に判明
単にピロリ菌の有無を調べるだけでなく、一次除菌治療で使う抗菌薬(クラリスロマイシン)が効くかどうか(耐性の有無)を事前に遺伝子レベルで特定できます。
これにより、効かない薬を飲む無駄を省き、一次除菌の成功率を飛躍的に高める「個別化医療」が可能となります。
