市民公開講座;炎症性腸疾患のご案内
- 2024年6月30日
- 消化器の病気
市民公開講座;炎症性腸疾患のご案内
2024年7月15日に富山大学付属病院の市民公開講座が開催され、今回のテーマは炎症性腸疾患(IBD)です。市民公開講座のチラシ
プログラム内容
第1部で①内科治療、②外科治療、第2部で①内視鏡検査、②特定疾患や就労支援など、第3部で座談会となっており、検査や治療といった診療内容そのものだけでなく、特定疾患(難病)の手続きや就労支援などの社会生活まで幅広い内容が扱われます。また、第3部の座談会では患者会から2名の患者様が登壇され、「患者さんから見た富山県のIBD診療を考える」と題して患者視点での議論がなされる予定です。
座談会に登壇します!
富山大学附属病院 炎症性腸疾患内科の渡辺憲治先生からお声がけをいただき、私も炎症性腸疾患を診療するクリニックを代表して座談会に参加します。有意義な座談会となるよう努力したいと思います。
炎症性腸疾患の患者様やご家族だけでなく、ご友人や職場の同僚に炎症性腸疾患の患者様がおられる方、学校など教育機関の教員・職員など炎症性腸疾患の患児・患者様と触れ合う機会のある方、その他 炎症性腸疾患に興味のある方など、幅広い方々の参加をお待ちしております。ご参加には事前の申し込みが必要となっておりますので、市民公開講座のチラシをご参照ください。
炎症性腸疾患(IBD)とは
炎症性腸疾患(IBD)には主に潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類があり、ともに難病に指定されています。いずれも慢性的な下痢や血便、腹痛、体重減少、発熱などの症状がありますが、治療をしなくても症状が落ち着いてしまうことがあり、診断が遅れる原因になります。IBDは早期の診断、治療が重要です。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こり、粘膜が傷つく病気です。病変は直腸から始まり連続的に上方(口側)へと広がるのが特徴です。若年者から高齢者まで発症します。
潰瘍性大腸炎の症状
腹痛、下痢、血便があります。徐々に悪くなる場合もあれば、急激に悪くなって命にかかわることもあります。おなかの症状以外にも、関節の痛み、口内炎、皮膚炎などを合併することがあります。
クローン病とは
クローン病では小腸や大腸に炎症が起きることが多いのですが、口、食道、胃、肛門にも炎症がおきる可能性のある病気です。炎症が強くなり、長く続くと腸が狭くなったり(狭窄)、穴が開いたり(穿孔、せんこう)、腸と腸、腸と膀胱、腸と皮膚などの間に通路ができてしまいます(瘻孔、ろうこう)。10~20代の若年で病気になることが多いです。
クローン病の症状
腹痛、下痢、発熱、体重減少、痔ろうなどがあります。「おなかが弱い」体質と思っていたら、知らないうちに病気が進行して腸に穴が開いてから診断されることもあります。おなかの症状以外にも、口内炎、関節の痛み、皮膚炎などを合併することがあります。