ノロウイルス感染症・感染性胃腸炎に注意!|南條内科おなかクリニック|富山市の内科・消化器内科・内視鏡内科

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医療コラム

ノロウイルス感染症・感染性胃腸炎に注意!|南條内科おなかクリニック|富山市の内科・消化器内科・内視鏡内科

ノロウイルス感染症・感染性胃腸炎に注意!

感染性胃腸炎が増えている

 当院での診療の実感として、ここ1-2週間でウイルス性胃腸炎が強く疑われる患者さんの受診が増えているように思います。大人だけの場合、子供だけの場合、子供から始まって家族みんなに感染した場合など様々です。

 ニュースでも感染性胃腸炎、ノロウイルスの言葉を見聞きすることが多くなった気がします。調べてみると、ここ1週間でYahoo!ニュースで報じられたノロウイルス感染の集団発生が全国で25件ありました。集団発生した地域も九州から北海道まで全国に分布しており、日本中でノロウイルス感染のリスクが高まっていることが示唆されました。

 富山県でも年が明けてから感染性胃腸炎の報告(定点報告、小児)が右肩上がりに伸びており、1月22日から28日の週で7.62人/定点となっています。定点の施設・対象年齢が異なるので直接比較することはできませんが、現在 流行しているインフルエンザが16.56人/定点、COVID-19が16.71人/定点ですから、インフルエンザやCOVID-19の半分くらい流行っているといえるかもしれません。

ノロウイルスの検査を受けられる?

 一般の診療所や病院で受けることのできるノロウイルス検査はノロウイルス抗原検査といって、便の中に含まれるノロウイルスのたんぱく質の一部を検出するものです。検査キットによる簡易検査で、15~30分程度で陽性/陰性がわかります。ただし、判定結果は100%正確というわけではなく、ノロウイルスにかかっていてもウイルスの量が少ない場合などは陰性と判定されることもあります(偽陰性)。

 また、すべての方が保険診療でのノロウイルス抗原検査を受けられるわけではなく、以下のいずれかに当てはまる必要があることにも注意しましょう。
   ・ 3歳未満の患者
   ・ 65歳以上の患者
   ・ 悪性腫瘍の診断を受けている患者
   ・ 臓器移植後の患者
   ・ 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、または免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

ノロウイルス感染症とは

1. 感染経路

 ノロウイルスが付着した感染源が口に入って感染します。

 感染源には以下のものがあります。

 ① 十分に加熱調理されていない ノロウイルスに汚染された二枚貝(カキなど)などの食材

 ② ノロウイルスに感染した調理者の手指を介して汚染された食品

 ③ 患者の糞便や吐物

2. 症状

 感染した場合は、24から48時間の潜伏期の後に、嘔吐・下痢・腹痛などの症状が1から2日続いた後に治ります。

 感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。

3. 治療法

 現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス薬は無く、対症療法で治療されます。

ノロウイルス感染症の予防のポイント

手洗いの徹底を

 トイレ使用後、調理の前、食事の前には、石けんと流水での手洗いを2回くり返しウイルスを洗い流す(アルコールでの消毒効果は十分ではない)

食品の取扱いに注意を

 ・ ウイルスに汚染されている可能性のある食品は、中心温度85℃以上で90秒以上の加熱
 ・ 調理器具などの洗浄・消毒を徹底
 ・ 生で食べる食品(野菜、果物等)は十分に洗浄
 ・ 調理従事者の健康管理を徹底

吐物の処理は細心の注意を

 おう吐物をふき取るときは、手袋、マスク等を使用
 室内で吐いた場合は、部屋の換気を十分に
 おう吐物が付いた場所は塩素系殺菌消毒剤等で消毒