睡眠時無呼吸症候群の検査、CPAP治療
- 2024年2月18日
- その他の病気
睡眠時無呼吸症候群の検査、CPAP治療の準備ができました!
睡眠時無呼吸症候群は、成人男性のおよそ4人に1人にある、頻度の高い病気です。また、高血圧や2型糖尿病、不整脈などの心疾患とも関連する見落としてはいけない疾患でもあります。
これまで、当院を受診する患者さまで睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には他の病院を紹介しておりましたが、この度、当院でも睡眠時無呼吸症候群の検査、CPAP治療を受けていただくことができるようになりました。実際には、検査機器・治療機器を扱う業者の方にお手伝いいただくことになるのですが、患者さまの利便性向上につながり、ひいては健康の向上に貢献するものと考えています。
睡眠時無呼吸症候群について、以下にまとめてみました。症状が当てはまる方は是非ご相談いただければと思います。
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睡眠時無呼吸症候群
原因と頻度
睡眠時無呼吸症候群の9割以上が空気の通り道(気道)が狭くなったり塞がったりすることが原因と思われ、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と呼ばれます。睡眠1時間当たりの無呼吸または低呼吸の数(無呼吸低呼吸指数、AHI)が15回以上の場合に中等症OSAと診断されますが、日本では成人男性の23.6%、閉経前の女性の1.5%、閉経後の女性の9.6%が中等症OSAであると報告されています。さらに、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病が合併すると、その頻度は一段と上昇します。
症状
睡眠中に息が詰まる感じ(窒息感)がして目が覚めたり、あえぐような呼吸があればかなり疑わしいです。その他に、いびき、日中の過度の眠気、不眠、家族などから睡眠中に呼吸が止まっていることを指摘されたりすることがあれば、受診の上で診断検査を受けることをご検討ください。
OSAの合併症
(二次性)高血圧症の主な原因の一つであり、また2型糖尿病発症のリスク因子である可能性が高いことが分かっています。
診断検査
診断検査には、自宅で行える簡易検査の携帯型睡眠検査と入院して行う精密検査の睡眠ポリグラフ検査があります。
携帯型睡眠検査は明確な併存疾患が無く、かつ中等度から重症OSAが疑われる場合(※)に、睡眠ポリグラフの代わりに行われます。入院の必要が無いため、簡便であることが一番のメリットです。心不全などの併存症があり、OSA以外の病態が疑われる場合には睡眠ポリグラフ検査による診断が必要です。
※ 日中の眠気ある、または以下のうち2つ以上;大きないびき、観察された無呼吸、夜間のあえぎと窒息感、高血圧
OSAの診断基準、重症度
AHI5以上で眠気などの症状があったり高血圧症、2型糖尿病、冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)などがあるか、AHI 15以上であればOSAと診断されます。また重症度について、AHI 5以上15未満が軽症、15以上30未満が中等症、30以上が重症と判断されます。
OSAの治療
OSAの治療法には、CPAP(シーパップ、持続気道陽圧)治療、口腔内装置(マウスピース)療法、減量、鼻・咽頭での気道開存手術(口蓋扁桃、アデノイド摘出など)などがありますが、日中の眠気などの症状が強い場合や中等症から重症例ではCPAP治療が第一選択となります。
OSAに対するCPAP治療(保険診療)
簡易検査の携帯型睡眠検査でAHI 40以上であれば重症OSAの診断となり、CPAP治療の適応となります。AHI 40未満の場合には睡眠ポリグラフ検査による精密検査を行い、AHI 20以上で中等症または重症OSAの診断となりCPAP治療の適応となります。