一般に大腸カメラと呼ばれるこの検査は、専門的には下部消化管内視鏡検査と言います。肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸（一部小腸の出口）を調べて、炎症、大腸ポリープ、大腸がんの有無などを診断することができます。がんや炎症が疑われる場合などでは、内視鏡スコープの先端から大腸内に鉗子と呼ばれる器具を出して、大腸ポリープを切除したり、組織を採取（生検）したりすることがあります。採取した組織は顕微鏡検査（病理検査）で詳しく調べます。検査にかかる時間は、15〜30分程度です。

大腸カメラ2日前からの食事制限が大切

大腸カメラの当日には洗腸剤と呼ばれる下剤で大腸の中をキレイに洗い流しますが、食物繊維が多い食材は大腸の中に残りやすく、検査の準備に時間がかかったり、正確な診断ができなかったりする可能性があります。場合によっては検査自体を延期しなければならないこともありますので、しっかりと準備しましょう。

検査前の食事の注意点

野菜、キノコ類、豆類、海藻などの食物繊維を多く含む食材や小さなタネのある果物、あぶら（油脂）の多い食材などは避ける必要があります。野菜や果物の皮も残すようにしましょう。以下に、食材の例を挙げていますのでご参照ください。

けれども、「家族の食事を準備する中で、一人分だけ特別に作ることができない」「毎日スーパー・コンビニの総菜を利用している」「食べてよい食材だけで食事を準備することができない」という方々も多くおられます。そんな方には、コンビニで手に入る食材を利用した食事をご提案しています。また、大腸検査向けの食事セットも市販されておりますので、必要に応じてご利用いただけます。

検査2日前に食べてよいもの／避けるべきもの

	食べてよいもの	避けるべきもの
ご飯類	白粥、白米	玄米、雑穀米
パン類	食パン、ロールパン（バターやジャムはつけない）	全粒粉・ブラン・ライ麦のパン、菓子パン、惣菜パン
麺類	そうめん、月見うどん（薬味なし）	そば、ラーメン、パスタ
肉類	脂の少ない部位（皮は取り除く） ささみ・むね・もも・ひれ	脂の多い部位 ベーコン・ソーセージ
魚介類	白身魚（カレイ、タイ、タラ） すり身（かまぼこ、ちくわ）	青魚（アジ、サバ）、イカ、タコ、エビ、カニ、貝類
卵類	卵豆腐、茶碗蒸し	–
野菜・ 果物類	–	野菜全般、こんにゃく、ゴマ、 くだもの全般
豆類	豆腐	豆類全般
海藻類・ きのこ類	–	海藻類全般、きのこ類全般
飲み物	お茶、紅茶、コーヒー、清涼飲料水	野菜ジュース、スムージー、青汁、乳製品飲料（牛乳、ヨーグルト）、アルコール
その他	飴、ゼリー、プリン、ウエハース、ボーロ	揚げ物、スナック菓子、ケーキ、乳製品（チーズ、バター）

食べてよいもの
ご飯類	白粥、白米
パン類	食パン、ロールパン（バターやジャムはつけない）
麺類	そうめん、月見うどん（薬味なし）
肉類	脂の少ない部位（皮は取り除く） ささみ・むね・もも・ひれ
魚介類	白身魚（カレイ、タイ、タラ） すり身（かまぼこ、ちくわ）
卵類	卵豆腐、茶碗蒸し
野菜・ 果物類	–
豆類	豆腐
海藻類・ きのこ類	–
飲み物	お茶、紅茶、コーヒー、清涼飲料水
その他	飴、ゼリー、プリン、ウエハース、ボーロ

避けるべきもの
ご飯類	玄米、雑穀米
パン類	全粒粉・ブラン・ライ麦のパン、菓子パン、惣菜パン
麺類	そば、ラーメン、パスタ
肉類	脂の多い部位 ベーコン・ソーセージ
魚介類	青魚（アジ、サバ）、イカ、タコ、エビ、カニ、貝類
卵類	–
野菜・ 果物類	野菜全般、こんにゃく、ゴマ、 くだもの全般
豆類	豆類全般
海藻類・ きのこ類	海藻類全般、きのこ類全般
飲み物	野菜ジュース、スムージー、青汁、乳製品飲料（牛乳、ヨーグルト）、アルコール
その他	揚げ物、スナック菓子、ケーキ、乳製品（チーズ、バター）

大腸カメラ前日は検査食でしっかりと準備することが大切

大腸カメラの当日には洗腸剤と呼ばれる下剤で大腸の中をキレイに洗い流しますが、食物繊維が多い食材は大腸の中に残りやすく、検査の準備に時間がかかったり、正確な診断ができなかったりする可能性があります。ご自身で食材を選んでいた場合、しばしば食材の判断に迷ったり、誤って食物繊維の多い食材を食べてしまったりすることがあります。検査食を利用することで確実に食物繊維の摂取を制限することができますし、大腸洗浄がスムーズに進み、大腸洗浄時間や検査時間の短縮、病変の見逃しの無い大腸内視鏡検査につながります。

当院で販売している検査食