アニサキス症
アニサキス症
魚介類を介してヒトに寄生する寄生虫(線虫、せんちゅう)です。
半透明白色で、魚介類に寄生している幼虫のアニサキスは体長2~3cm、幅0.5~1mmの大きさで、少し太い糸のように見えます。
サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカ等の主に内臓表面に寄生していますが、寄生している魚介類が死亡し時間が経過すると内臓から筋肉(魚やイカの身の部分)に移動することが知られています。
アニサキス幼虫が寄生している魚介類を刺身などの生の状態で食べたり、加熱が不十分な状態で食べたりすると、アニサキス幼虫が胃や腸の壁に喰いついて、食後2~数10時間後にお腹の上の方が強く痛くなったり、気持ち悪くなって吐いてしまったりします。また、アレルギー症状として皮膚にじんましんが出ることもありますし、放っておくと胃や腸の壁に穴が開いて腹膜炎を起こして緊急手術が必要になったり、腸に喰いついた場合には腸閉塞の原因になったりすることがあります。
薬での治療はありません。胃に喰いついた場合には、胃カメラを行ってアニサキス自体を取り除くことが治療になります。腸に喰いついた場合には、それを診断すること自体が難しいですし、内視鏡で取り除くことも簡単ではありません。そのため、アニサキスが弱って腸から外れるのを待つことも多いですが、数日から1週間程度かかります。
新鮮な魚介類を選んで、買った後は早めに内臓を外します。その後、目でアニサキス幼虫を探して取り除きます。
※ 注意点:これだけでは100%の予防はできません。
刺身など生食する場合には、一度冷凍庫(-20℃)で24時間以上凍らせることでアニサキスを殺すことができます。
※ 注意点:食材の中心部が-20℃になる必要がありますので、冷凍庫の奥の方に入れて24時間+数時間凍らす必要があります。
※ 注意点:お酢や塩、ワサビなどではアニサキスは死にませんので、シメサバをつくる場合にも一度冷凍する必要があります。
煮たり焼いたりする場合には、食材の中心部が60~70℃で1分間以上加熱されることでアニサキスが死にます。
※ 注意点:タラやサケにもアニサキスが寄生します。生煮え、生焼けにならないように、十分に火を通してから食べるようにしましょう。
富山市保健所が作成した動画の説明が分かりやすいですので、ご覧になってください。